takeo paper show 2018

10/7(日曜日)。竹尾さんの4年ぶりとなるペーパーショーを見に行ってきました。

日曜日にも開催してくれたことに感謝です。

場所はグランフロント大阪 北館 ナレッジキャピタルイベントラボ。

高松市と比べてはいけませんが、三連休の中日だけあって、人でごったがえしていました。

イベント会場に入ってすぐ、顔見知りの竹尾さんの店頭の方とばったり。行くことを事前に
伝えてなかったので、たいそうびっくりしてくれました。

事前に登録してあったスマホのQRコードを機械で読み取ってもらって、いざ入場です。

 

筆者は竹尾さんのペーパーショーは初体験なのですが、人が多いと感じました。

デザイナーらしき方、美術系の学生の方、私のような紙の卸商(いたのかな?)年齢も性別もバラバラ。

関心の高さがうかがえます。

感性素材であるファインペーパーが持つ「精度」をキーワードに、「紙そのものの価値」を新たな視点に立ち、捉えなおすことで、素材としての紙の未来、紙の新たな可能性を感じる企画だったのですが、面白い企画ばかりでした。いくつかご紹介したいと思います。

 

土紙

 

字の通り、土を混ぜてつくった紙です。和紙の原料の楮・三椏・雁皮などに、いろいろな土を混ぜ合わせて作っていましたが、ざらっとした感覚といい、表面の見た目に、「何かが混ざっているな」という印象が、大変面白かったです。

土の成分によって配合も様々らしく、簡単にできそうですが、難しかったそうです。

数年後には竹尾さんから発売されそうな紙に思えました。

 

動紙

紙が動くんです。酸化鉄の一種のフェライト粉というのを紙に漉き込むことで、磁石の力をかりて、紙に動きをもたせることができたようですが、イメージとしては、ゆっくりとした動きですが、ドミノが倒れては、また起き上がるような感じ・・・でした。

印刷もされていない小さな三角形の紙は、非常に無機質な感覚を与えますが、それがいたるところでひらひらと動き出す姿は、自らの力で動いているようにも見え、か弱い存在のような印象も感じました。時を忘れて、ぼーっと見入ってしまう、不思議な魅力の紙でした。

 

紙の原料であるパルプ以外の素材が紙に新たな感触を生み出す。印刷したものを伝える伝達手段、パッケージなどに使われる包装手段以外に、「動き」で人に不思議な感覚を与える。

たしかに、「紙そのものの価値」の新たな視点そのものでした。

他にも、紙で作った布、いらなくなった紙を溶解して、古紙として使うのではなく、紙漉きの素材そのものとして使う、新しいリサイクルの形で、全く違う紙を作るなど、発想そのものが「!」というものばかりで、たいへん興味深かったです。

 

紙の勉強会とも違う、新製品の発表会とも違う、ペーパーショー。

多くの知恵と、苦労と、時間と、費用と、人が集結してできた催しだと思いました。

直結して、商売に結び付くかどうかが問題ではなく、次々と模索していかなければ、新しい発見はないのだな、と改めて思いましたし、また数年越しでもいいから、竹尾さんにはこのようなペーパーショーをしてもらいたいし、自分も見に行きたいなと思いました。